小田原・箱根で特定技能外国人の採用を考えている企業(受入れ機関)の担当者様から、「雇ったあとに、どんな届出が必要なのか」というご質問をよくいただきます。特定技能は、雇用を開始した後も、出入国在留管理庁などへの届出が続く制度です。この記事では、雇用開始後から退職時まで、時系列で「いつ・どこへ・何を届け出るのか」を整理します。
特定技能の受入れ機関には、「10項目の支援」と「届出」の義務があります。この記事では、そのうち「届出」を解説します。「10項目の支援」を含む全体像は、こちらのコラムで解説しています。
なお、この記事は、主に1号特定技能外国人を受け入れる企業を対象とした説明です。
雇用開始後に必要な届出【一覧】
雇用開始後から退職時までに必要な届出を、時系列で一覧にまとめました。提出先は、ハローワークと出入国在留管理庁です。
| 時期 | 手続 | 提出先 | 期限 |
|---|---|---|---|
| 雇用開始直後 | 【雇用保険に加入する場合】 雇用保険被保険者資格取得届 | ハローワーク | 翌月10日まで |
| 【雇用保険に加入しない場合】 外国人雇用状況届出書 | 翌月末日まで | ||
| 雇用中に条件などの変更が生じたら | 随時届出*1 | 出入国在留管理庁 | 変更から14日以内 |
| 雇用中(年に1回) | 定期届出*2 | 出入国在留管理庁 | 翌年5月31日まで |
| 退職時・雇用契約の終了時 | 【雇用保険に加入する場合】 雇用保険被保険者資格喪失届 | ハローワーク | 離職日の翌日から10日以内 |
| 【雇用保険に加入しない場合】 外国人雇用状況届出書 | 翌月末日まで | ||
| 随時届出*1 | 出入国在留管理庁 | 契約の終了から14日以内 |
*1 「随時届出」:特定技能の受入れ機関に課されている「届出の義務」のひとつ
*2 「定期届出」:同じく「届出の義務」のひとつで、年に1回まとめて行うもの
雇用開始直後:基本は、日本人を雇うときと同じ手続です
特定技能外国人を雇い入れたときの社内手続は、基本的に日本人を雇うときと同じです。労働関係の法律や社会保険の法律は、国籍を問わず外国人にも日本人と等しく適用されるため、外国人だからといって特別に身構える必要はありません。雇用保険の手続は上の表のとおりです。表に載っていない手続として、次のものも日本人と同様に必要です。
- 健康保険・厚生年金保険の資格取得届(日本年金機構):日本人と同じ手続です。外国人の場合は、ローマ字氏名の届出も必要になります
- 労災保険:国籍を問わず適用されます。通常、労働者ごとの個別の届出は不要です
- 給与の源泉徴収・年末調整(税務署):日本に住所がある方などは居住者として、日本人と同様に源泉徴収を行います。扶養控除等申告書の提出も同様です
なお、雇用保険の資格取得届は、「外国人雇用状況の届出」を兼ねています。取得届の備考欄に、国籍・在留資格・在留期間などを記入して提出すれば、別の届出書は必要ありません。雇用保険の被保険者とならない場合に限り、「外国人雇用状況届出書」を、翌月末日までに提出します。
雇用中に条件などの変更が生じたら【随時届出】
雇用契約の内容などに変更が生じたときは、変更から14日以内に、出入国在留管理庁へ随時届出を行います。対象となる主な変更は次のとおりです。
- 労働時間・休日:所定労働時間や所定労働日数の変更、年間休日の減少、1年単位の変形労働時間制の採用・廃止
- 契約期間:雇用契約の期間を短くした
- 賃金・報酬:賃金などの変更(増額など、外国人にとって有利な変更を除く)
- 従事する業務:業務内容や業務区分の変更
- 退職に関する事項:申請時などに提出した雇用条件書の、退職に関する欄の変更
- 社会保険など:健康保険・厚生年金保険、労働保険の適用事業所になった、またはならなくなった
- 会社の変更:会社の名称・所在地の変更、会社の消滅(別の様式「所属(契約)機関に関する届出」で、同じく14日以内)
- 支援体制:支援計画の変更、登録支援機関(支援の委託を受けられる、出入国在留管理庁の登録を受けた機関)との支援委託契約の締結・変更・終了
- 受け入れの継続が困難になったとき:解雇の予告、行方不明、死亡など
連絡先のみの変更は、届出の対象外とされています。届出が遅れた場合は、理由を記載した書類の提出が必要になります。なお、登録支援機関は随時届出を行えないため、支援を委託している場合でも、届出は受入れ機関が行います。
雇用中は年に1回【定期届出】
定期届出は、受け入れ状況・報酬の支払い状況・支援の実施状況などを、年に1回まとめて報告するものです(以前は四半期ごとでしたが、現在は年1回に変わっています)。4月1日から翌年3月31日までの分を、翌年5月31日までに提出します。支援を登録支援機関に委託している場合は、受入れ機関と登録支援機関が共同で提出します。
退職時・雇用契約の終了時:2つの手続が必要
外国人が退職したときは、次の2つの手続を、それぞれ行います。
- ハローワーク:雇用保険被保険者資格喪失届を、離職日の翌日から10日以内に提出します(外国人雇用状況の届出を兼ねます)。雇用保険に加入していない場合は、外国人雇用状況届出書を翌月末日までに提出します
- 出入国在留管理庁:雇用契約が終了したときは、随時届出を、終了から14日以内に提出します。解雇の予告や行方不明など、受け入れの継続が困難になったときも、14日以内に届け出ます
届出の漏れを防ぐには、担当者を決め、時期ごとの管理表をつくっておくのがおすすめです。
まとめ
- 雇用開始直後:雇用保険に加入する場合は資格取得届(翌月10日まで)、加入しない場合は外国人雇用状況届出書(翌月末日まで)
- 雇用中に条件などの変更が生じたら:随時届出(変更から14日以内)
- 雇用中は年に1回:定期届出(翌年5月31日まで)
- 退職時・雇用契約の終了時:資格喪失届(離職日の翌日から10日以内)または外国人雇用状況届出書(翌月末日まで)、随時届出(契約の終了から14日以内)
- ポイント:社内の手続は基本的に日本人と同じ。随時届出は、支援を登録支援機関に委託していても受入れ機関が行う
*小田原市を拠点に、オンライン相談で全国対応しています。特定技能の届出について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
【次回予告】「特定技能のほかに、外国人を雇う方法はないの?」と思ったことはありませんか?次回は、小田原・箱根の企業が、「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザで外国人を雇う方法と流れを解説します。







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